Homebrew は、macOS でコマンドラインのツールを入れるときに最初に用意するパッケージマネージャーです。パッケージマネージャーとは、ソフトウェアの導入・更新・削除をコマンドでまとめて扱える仕組みのことを指します。
本記事では、Homebrew を mac にインストールする手順を説明します。あわせて、2026 年現在どの Mac が対象になるのか、入れたあとにパスをどう通すのかを、手元の環境で確かめた結果とともにまとめました。公式サイトは brew.sh です。
本記事のまとめ
- インストールは公式のワンコマンドで終わります
- ただし公式スクリプトは Apple Silicon 専用で、Intel Mac では何も入れずに終了します
- macOS は 15 以降が前提です。14 以下でも入りますが、ビルド済みパッケージが降りてこなくなります
- 入れたあとは
.zprofileに1 行足してパスを通します。brew --versionが返れば完了です
Homebrewをインストールする
インストールは、公式サイトに載っているコマンドを 1 つ実行するだけです。ターミナルを開いて、次の 1 行を貼り付けます。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"このコマンドは、GitHub に置かれているインストールスクリプトを取ってきて、その場で実行します。中身は Homebrew/install で読めるので、実行する前に目を通しておくと安心です。
先に自分のMacが対象か確かめる
2026 年現在、公式スクリプトが対象にしているのは Apple Silicon の Mac で、macOS 15 以降です。コマンドを打つ前に、2 つ確かめておきましょう。
$ uname -m
arm64
$ sw_vers
ProductName: macOS
ProductVersion: 14.6
BuildVersion: 23G80| 確かめるもの | 満たしたい値 | 確かめ方 |
| CPU | arm64 | uname -m |
| macOS のバージョン | 15 以降 | sw_vers の ProductVersion |
私の環境は arm64 でしたが、macOS は 14.6 でした。条件を片方しか満たしていません。この組み合わせで何が起きるかは、このあとの節で扱います。
インストール中に何が起きるか
コマンドを実行すると、sudo のパスワードを聞かれ、作成されるディレクトリが一覧されたうえで、確認待ちで一度止まります。いきなり書き込みが始まるわけではないので、一覧を見てから続けるか決められます。

一覧に並ぶパスは、すべて /opt/homebrew の配下です。あわせて The Xcode Command Line Tools will be installed. と出ています。Xcode Command Line Tools は、コンパイラや git が入った Apple 製の開発ツール一式で、Homebrew が動くのに必要です。入っていなければ Homebrew が自分で入れてくれます。
なお Password: のところでは、入力した文字が画面に出ません。打てていないように見えますが、そういう仕様です。そのまま入力して Enter を押してください。
Intel Macでは公式スクリプトが止まる
Intel Mac で実行すると、スクリプトは何も入れずに終了します。手順を間違えたわけでも、ネットワークの問題でもありません。スクリプトの中に、CPU を見て中断する処理が書かれているためです。
# On macOS, support Apple Silicon only
if [[ "${UNAME_MACHINE}" != "arm64" ]]
then
abort "Homebrew on macOS is only supported on Apple Silicon processors!"
fi
HOMEBREW_PREFIX_DEFAULT="/opt/homebrew"同じスクリプトを検索しても、/usr/local は 1 箇所も出てきません。かつて Intel Mac が使っていた置き場所は、既定値としては残っていないということです。
この挙動は、スクリプトの中身を読んで確認したものです。私は Intel Mac を持っていないので、実際に実行して再現したわけではありません。
macOS 15 未満は止まらないが、サポート外になる
CPU と違って、macOS のバージョンが足りない場合は中断せず、警告を出したまま続行します。同じ「条件を満たしていない」でも扱いが違うので、分けて覚えてください。
MACOS_NEWEST_UNSUPPORTED="28.0"
MACOS_OLDEST_SUPPORTED="15.0"公式の Support Tiers では、サポートの段階が 3 つに分かれています。Tier 1 が完全にサポートされる構成で、Tier 3 は「サポートしない」区分です。
| 構成 | 区分 |
| Apple Silicon + macOS 15 以降 | Tier 1(完全にサポート) |
| Apple Silicon + macOS 11〜14 | Tier 3(サポート対象外) |
| Intel Mac(すべてのバージョン) | Tier 3(サポート対象外) |
Tier 3 で実際に困るのは、ビルド済みパッケージが用意されなくなる点です。パッケージを入れるたびに手元でソースからのビルドが走るため、数分で終わっていたものが数十分かかることもあります。
パスを通す
インストールが終わった直後は、まだ brew コマンドを打てません。/opt/homebrew/bin が PATH に入っていないためです。PATH は、コマンド名だけで実行できるディレクトリをシェルに教えておく環境変数のことです。
インストールログの末尾に Next steps: という節があり、そこに実行すべき 3 行が出ています。

この 3 行をそのまま実行します。ログには自分のホームディレクトリの絶対パスが入りますが、~ と書いても同じです。
echo >> ~/.zprofile
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"1 行目は空行を足すだけ、2 行目が本体で、3 行目は今開いているターミナルにその設定を即座に反映させるためのものです。3 行目を省くと、ターミナルを開き直すまで brew が使えません。
.zprofileに何が書かれるか
足されるのは eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)" の1 行だけです。中身を見ると、たしかに反映されているのが分かります。

brew shellenv は、PATH などの環境変数を設定する命令を出力するコマンドです。それを eval でその場で実行する、という書き方になっています。
macOS の標準シェルは zsh なので、書き込み先は .zprofile になります。bash に切り替えて使っている場合は .bash_profile が対象です。どちらを使っているかは echo $SHELL で分かります。
インストールできたか確認する
brew --version を実行して、バージョンが表示されれば完了です。何も出ない、または command not found になる場合は、パスを通す手順が済んでいません。
$ brew --version
Homebrew 7.0.9どのバージョンが最新かは、Homebrew/brew のリリースページで確認できます。更新日や変更点もここに出ます。
ツールがどこに入ったかは brew --prefix で聞けます。
$ brew --prefix
/opt/homebrew解説記事によって /usr/local と書かれていたり /opt/homebrew と書かれていたりするのは、Intel Mac の時代の置き場所が前者だったためです。決め打ちで覚えず、brew --prefix で聞くほうが確実です。
brew configで環境をまとめて見る
brew config を使うと、バージョン・置き場所・OS・開発ツールの状態がまとめて出ます。うまく動かないときに最初に見る場所です。
HOMEBREW_VERSION: 7.0.9
ORIGIN: https://github.com/Homebrew/brew
Branch: stable
Core tap: N/A
HOMEBREW_PREFIX: /opt/homebrew
Clang: 16.0.0 build 1600
Git: 2.48.1 => /opt/homebrew/bin/git
macOS: 14.6-arm64
CLT: 16.2.0.0.1.1733547573
Rosetta 2: falseCore tap: N/A は故障ではありません。Homebrew 4 系からパッケージ情報の取り方が変わり、配布元のリポジトリを手元に複製せず、必要なときに JSON を取りに行く方式になりました。実際、brew outdated を実行すると Downloading Homebrew API data と出てから結果が返ります。brew --version が 1 行しか返さないのも同じ理由です。
よく使うHomebrewコマンド
日常で使うのは、次の 7 つでほぼ足ります。まずはこれだけ覚えておけば困りません。
| コマンド | 何をするか | いつ使うか |
brew install <パッケージ名> | パッケージを入れる | ツールを追加するとき |
brew list | 入っているものを一覧する | 何を入れたか分からなくなったとき |
brew outdated | 更新できるものを挙げる | 上げる前に対象を見たいとき |
brew update | Homebrew 自身とパッケージ情報を取り直す | upgrade の前 |
brew upgrade | 入っているパッケージを新しくする | 実際に上げるとき |
brew cleanup | 古い版とキャッシュを消す | ディスクを空けたいとき |
brew uninstall <パッケージ名> | パッケージを消す | 使わなくなったとき |
たとえば git を入れるなら brew install git です。依存しているパッケージがあれば、一緒に取ってきてくれます。

updateとupgradeは別物
update は情報を取り直すだけで、入っているパッケージのバージョンは上がりません。名前が似ているので取り違えやすいところです。
公式のマニュアルでは、update は「Homebrew とすべての formula の最新版を取得する」、upgrade は「古くなった、ピン留めされていないパッケージを更新する」と説明されています。formula はパッケージの定義ファイルのことなので、update で新しくなるのは定義のほうです。
手元の git で見ると違いがはっきりします。
$ brew info git
==> git: 2.48.1 → stable 2.56.0, HEAD
Distributed revision control system

Git
Installed (on request)入っているのは 2.48.1 で、配布されている最新は 2.56.0 だと分かります。この「最新は 2.56.0 である」という情報を持ってくるのが update で、手元を 2.48.1 から 2.56.0 に入れ替えるのが upgrade です。brew update だけを実行して安心していると、入っているツールは古いままになります。
つまずきやすい箇所と対処
止まったときに疑う箇所は、次の 4 つに絞れます。上から順に当てはめていけば、たいていどれかに行き着きます。
brew: command not foundになる。パスを通す手順が済んでいません。.zprofileに 1 行入っているかを確かめ、ターミナルを開き直します- パスワードが打てない。
Password:では入力した文字が画面に出ません。打てていないように見えるだけなので、そのまま入力して Enter を押します - Xcode Command Line Tools で止まる。通常は Homebrew が自分で入れますが、失敗する場合は
xcode-select --installを先に実行してから入れ直します。入っているかはxcode-select -pで確かめられます - Intel Mac か、macOS 14 以下を使っている。Intel Mac ではスクリプトが止まります。macOS 14 以下は入りますが、サポート外の扱いになります
4 つ目については、入れたあとに brew doctor を実行すると、Homebrew 自身が状態を教えてくれます。macOS 14.6 の私の環境では、次の警告が返りました。
Warning: You are using macOS 14.
We (and Apple) do not provide support for this old version.
Homebrew no longer builds bottles for this configuration.
Consider MacPorts, which provides binary packages for this macOS version:
https://www.macports.org
(中略)
This is a Tier 3 configuration:
https://docs.brew.sh/Support-Tiers#tier-3警告の末尾では This is a Tier 3 configuration: と、自分の環境がどの区分にあたるかまで名指しされます。先ほどの表を自分で引かなくても、Homebrew が教えてくれるということです。
bottle はビルド済みパッケージのことです。これが用意されないため、パッケージを入れるたびに手元でのビルドが走ります。公式が MacPorts という別のパッケージマネージャーを案内してくるのは、そこまで踏み込んだ扱いになっているということです。
とはいえ、この環境でも Homebrew 自体は動いています。使えなくなるわけではないので、macOS を上げられない事情があるなら、ビルドに時間がかかる前提で使い続ける判断もあります。
まとめ
Homebrew のインストールそのものはワンコマンドで終わりますが、2026 年現在は入れる前に Mac の条件を確かめるほうが先です。条件を外していると、止まるか、止まらないまま遅い環境ができあがります。
- 公式スクリプトは Apple Silicon 専用で、Intel Mac では何も入れずに終了する
- macOS 15 未満は中断しないが、ビルド済みパッケージが降りてこなくなる
- 入れたら
.zprofileに 1 行足してパスを通す。brew --versionが返れば完了 - 置き場所は
brew --prefixで聞く。/usr/localと/opt/homebrewのどちらかを決め打ちで覚えない
Homebrew が入ったら、次は実際にツールを入れるところからです。AWS を使うなら HomebrewでAWS CLIを簡単インストール!Macでの導入ガイド、Terraform を使うなら Terraformをmacにインストール|brew tapが要る理由と最新版のずれ にまとめました。Terraform のほうは素直に brew install では入らないので、先に読んでおくと詰まりません。
なお、対応する macOS のバージョンやサポートの区分は変わります。実際に入れるときは、最新を公式ドキュメントの Installation で確認してください。

