はじめに
AI エージェント(Claude Code など)にタスクを任せたまま放置できる、常時起動のマシンが欲しくなりました。そこでミニPCを購入し、その上に Linux 開発環境を作ることにしました。
本記事では、Windows 11 のミニPCに WSL2 と Ubuntu をインストールし、初期設定を済ませるまでの手順を紹介します。実機で構築したときの実測値やつまずきポイントもあわせてまとめました。
本記事のまとめ
- Windows 11 なら
wsl --installの実行と再起動だけで WSL2 と Ubuntu を導入できる - 実機では
wsl --install後の再起動に、Windows の更新も含めて数時間かかった(時間に余裕があるときの実施がおすすめ) - Ubuntu 初期設定のパスワード入力は、画面に何も表示されなくても正常な挙動
- パッケージ更新と tmux の導入まで済ませておくと、後のリモート運用で二度手間にならない
それぞれ順番に見ていきます。
検証環境
今回の検証環境は次のとおりです。
- ミニPC: GMKtec M6 Ultra
- OS: Windows 11 Pro バージョン 25H2(OS ビルド 26200.8875)
- ディストリビューション: Ubuntu(WSL の既定)
所要時間などは環境によって変わるため、あくまで一例として参考にしてください。
WSL2をインストールする
WSL2(Windows 上で Linux を動かす仕組み)の導入は、Windows 11 なら wsl --install の 1 コマンドで完了します。Microsoft 公式ドキュメントでも、この方法が案内されています。前提条件は Windows 10 バージョン 2004 以降、または Windows 11 です。
PowerShellを管理者権限で開く
まず、スタートボタンを右クリックして「ターミナル (管理者)」を選択します。

アプリがデバイスに変更を加えることを許可するか確認するダイアログが表示されたら「はい」を選びます。タイトルバーに「管理者: Windows PowerShell」と表示されたウィンドウが開けば準備完了です。

wsl –install を実行する
開いた PowerShell で次のコマンドを実行します。
wsl --install
この 1 行で、WSL 本体の有効化から既定のディストリビューションである Ubuntu のダウンロードまで自動で進みます。すでに WSL が入っている環境で実行するとヘルプが表示されるだけのため、次のようにディストリビューションを指定してください。
wsl --install -d Ubuntu
なお公式ドキュメントによると、インストールが 0.0% のまま進まない場合は wsl --install --web-download -d Ubuntu で回避できるとされています。実機では発生しませんでしたが、止まってしまったときに試してみてください。
再起動する(数時間かかることがある)
インストールが終わると再起動を求められるので、PC を再起動します。
実機では、この再起動が初期セットアップの Windows システム更新も含めて数時間かかりました。数分で終わらなくても異常ではありません。時間に余裕があるタイミングで実施するのがおすすめです。
Ubuntuの初期設定(ユーザー名とパスワード)
再起動後、自動的に Ubuntu のセットアップ画面が開きます。開かない場合は、スタートメニューから「Ubuntu」を起動してください。
しばらく待つと、次の 2 つの入力を求められます。
1. Enter new UNIX username: Ubuntu 内で使うユーザー名を半角英小文字で入力する(例: taro)。Windows のユーザー名と同じでなくてもよい
2. New password: Ubuntu 内で使うパスワードを設定する
パスワードは入力しても画面に何も表示されませんが、正常な挙動です。そのまま入力して Enter を押してください。このパスワードは管理者コマンド(sudo)で必要になるため、忘れないようにしましょう。
ユーザー名@マシン名:~$ のようなプロンプトが表示されたら、Ubuntu のセットアップは完了です。
最初にやっておく初期設定(パッケージ更新とtmux)
Ubuntu が動いたら、パッケージの更新と tmux の導入まで済ませておきます。ここまでやっておくと、この後の AI エージェント導入やリモート運用で二度手間になりません。
パッケージを最新化する
Ubuntu のターミナルで次を実行します。
sudo apt update && sudo apt upgrade -ysudo のパスワードを聞かれたら、初期設定で決めたパスワードを入力します。ここでも画面には何も表示されませんが、そのまま入力して問題ありません。初回は数分かかります。
tmuxを先に入れておく理由
続けて tmux をインストールします。
sudo apt install -y tmuxtmux は、ターミナルの作業セッションを裏で維持してくれるツールです。通常はターミナルを閉じたり接続が切れたりすると、実行中のプログラムはそこで終了してしまいます。tmux の中で作業していれば、ウィンドウを閉じてもセッションが生き続け、後から再接続して続きを操作できます。
このミニPC運用では、次の 2 つの場面で効いてきます。
- 別の PC から SSH で接続して作業する場合に、接続が切れても作業が中断されない
- AI エージェントに長時間タスクを任せて放置し、後から結果を確認できる
ミニPCの前に座って直接使うだけなら必須ではありません。ただ、導入は数秒で済むため、後のリモート運用に備えて先に入れておくのがおすすめです。
WSL2で動いているか確認する
最後に、PowerShell で次のコマンドを実行して状態を確認します。
wsl --list --verbose

Ubuntu の行の VERSION が「2」になっていれば、WSL2 で動作しています。公式ドキュメントにも、wsl --install で導入した環境は既定で WSL2 になると記載されています。
次回以降に Ubuntu を使うときは、スタートメニューから「Ubuntu」を起動するか、ターミナルで wsl と入力します。
まとめ: 次はClaude Codeのインストールへ
本記事では、ミニPC(Windows 11)に WSL2 と Ubuntu を導入し、初期設定を済ませるまでの手順を紹介しました。
- WSL2 の導入は
wsl --installを実行して再起動するだけ - ただし再起動は数時間かかることがあるため、時間に余裕を持って実施する
- パスワード入力は画面に表示されなくても正常
- パッケージ更新と tmux の導入まで済ませておくと、後のリモート運用につながる
これで「Linux 開発環境が動く常時起動マシン」の土台ができました。次のステップは、この WSL 上に Claude Code をインストールして、AI エージェントを動かせる状態にすることです。

